あれこれ「知っとこ!髪の基礎知識」

Hair arekore “Shittoko! Basic knowledge of hair.”

あれこれ「知っとこ!髪の基礎知識」

こんにちは。山県です^^

今日は基本中の基本、「髪ってなんぞや」的な事をこれだけ分かってればかなり詳しいぞ的なイメージで(笑)

 

その前に。ここのblog形式で書く記事全般について2つお話を。

記事全般

ここで書かれる内容は、私が約30年の美容師経験を元に髪の事について残しておきたいというものを元に作成しております。

そもそも髪の事も現状の科学では100%解明されておらず、あらゆる事柄により常識が変わる可能性があります。

常に現時点での僕の知識を元に書いていきますが、ここの記事も随時編集が有ると思って下さい。

お客様視点

ここの記事はなるべく美容業従事者などではなく、一般の方向けに書くことにします。

髪については色々なサイトがあり情報も色々。で、ここでは僕の毛髪知識+美容師的な実際の経験を元に皆さんにお役に立てる様記載していきます。

なるべく短文で、なるべく分かり易く、なるべくすぐ効果のある記事にしていきたいと思っています……が、長文癖があるのでその辺はご容赦下さいw

あと、ここの記事を元にご自分でされたり、ご自分の合うやり方を見つけたりされる事は大賛成です。が、自己責任でお願いします。

以上です。

 

さてそれでは。「髪の基礎知識」について。

まず第一声でこれを。

「髪って不思議」

このことは髪に限った事ではないですが、本当に良く出来ています。人間の体って。誰が設計したのか知りたいくらい(笑)

 

そして、髪に限って言えば…

目的は頭皮他の保護

動物的に、他の動物のように全てを毛で覆うのではなく、必要な場所だけに必要な毛が生えて来るように進化したのです。

人間で言えば大事な脳が入っている場所の頭皮や、髪を伸ばせば耳、顔の周り、首、胸元や背中と保護する事になりますね。

何から…は、全ての人体に悪いとされる外的要因からです。暑さや寒さ、乾燥や湿気、日光(紫外線他)や雨(酸化水他)、体内の危険物質の排出(重金属他)、単純な打撃の緩和や鋭利物からの保護(外的要因からの保護)…etc.

何気なくあって当たり前という髪の存在は、実はいつも貴女とありながら貴女をいつも守っている大切な存在です。

…でと。次は髪の特徴です。

 

 

髪の特徴

動きの自由度があるのに強いというとても便利な髪。髪の特徴です。

髪の基本情報

本数=日本人で10〜12万本前後。

形状=日本人でほぼ直毛。

構成物質=ケラチン(硬質蛋白質)他。

構造=3層(毛小皮”キューティクル”で外、毛皮質”コルティックス”で中間、毛髄質”メデュラ”で芯の部分だが空洞有)。

伸びる長さ=1ヶ月で1cm前後。

太さ=0.1mm前後。

1㎠辺り=250本前後。

強さ=1本辺り100g前後耐える。12万本なら12t前後でアルミニウムとほぼ同等。

伸張率=150%前後で断毛。

膨張率=飽和水分量130%前後でこれ以上は吸収せず流れ落ちる。

最適水分量=乾燥時でも12%前後。

最適pH=5.5前後(弱酸性)。

毛周期=約6年。成長期(髪が生え続ける時間で約5年)・退行期(脱毛させる為の時間で約1ヶ月)・休止期(次の毛を準備する時間で約半年)・発毛期(次の毛が生えてくる時間で約半年)を繰り返す。

 

髪が生える仕組み

頭皮にある毛穴。そこに存在する毛母細胞(毛乳頭)から製造されます。なので、樹木のように先から伸びるのでは無く根元から押し上げられるように生えてきます。

そして髪には生える周期があり約6年(上記)。ということは1日に50本前後は抜けていい計算になりますね。この辺は長くなるのでまた抜け毛などの別項で。

 

髪の構造について

上記で少し触れていますが。一般的に肝心なのはよく聞かれると思いますがキューティクルとコルティックス。

キューティクルは髪を硬質タンパク質(ケラチン他)の鎧で覆っており髪を守っています。更に蛇腹のような形状になっており曲がったり伸びたり縮んだりします。なんて便利なw この鎧にダメージの少ない髪=外観的に綺麗な髪。と思って頂いて大丈夫です。

コルティックスはメデュラとの間の物質で多数のアミノ酸(シスチン他)からなり、単純にここの充実さが髪の元気度を決めています。一つの目安として元気度=髪の水分量でほぼOK。どこのどんな細胞でもそうですが、ドライ時でもどれだけの水分を蓄えているかで元気度と思って頂いて大丈夫です。

一応メデュラも。中心にあるので髪の芯と思われがちですが、実ははしご形状で空洞に近いです。実は髪の中でここが一番解明されていません。ある意味はしご状の方が強度が出るのかな?なんて思ったりしていますが。

でと。この項目の締めですが。大切なのはダメージが来る順番です。まず普段の生活でいきなりコルティックスからダメージが来る事はほぼありません。「キューティクルが剥がれる」とよく言われますが、鎧が剥がれて中身の大切なタンパク質(アミノ酸)が流れ出る。という順番です。ということは、如何に鎧をケアする事が大切かということですね。

鎧(キューティクル)は髪の表面なのでお手入れはホームケアでも出来ます。ここが大切なのです。具体的にはこのTips of hairの”ヘアケア”でUPしていきますのでそちらをご覧になって参考になさって下さい。

 

髪の個人差について

はい。個人差のお話。ここは美容師の経験でお話を。結論から言うと、単純に皆さん違うと思って下さい。

親子や兄弟でも髪質は違いますよね?遺伝子情報が違うのだから当たり前ですが、それを元にするとましてや他人なんて本当に違います。十人十色です。タイプ的に近い方はいらっしゃいますが、30年近く美容師をしていて完全に一緒という方を見た事がありません。(一卵性双生児では?とのお話もありますが先天的には同じでも後天的に例えば食事や髪のお手入れ方法が違ったりすると変わってきます)

で、ここからですが。なぜ個人差のお話か。用は髪が違うのだから、例えば友人に勧められたヘアケアやスキンケアが合わないのは基本的に当たり前という事が言いたいのです。その為に僕達プロがいます。もちろん合う合わないは好みもあるので一概には言えませんが、近い正解を出せる人がきっといると思います。本当に困っている事はぜひ信頼している美容師やケアリストに相談してみて下さい。

 

…特徴はこんなところで。あとは少しあれこれ追加です。

 

髪自体は使い捨て

基本的に髪自体は爪と同じく体からのほぼ排出物が遺伝子設計的に目的に合わせて変化(角質化)したもの。

故に髪を引っ張っても痛さも感じなければ(まだ頭皮に付いている状態ではまだ用があるから抜けないでと毛根から感じます)熱なども感じない。用は髪単体に感覚が無いのです。そして皮膚の怪我は瘡蓋から治りますが髪に自己修復作用はありません。この辺の理由はココこそ髪を作った存在(?)に聞いてみたいですw まぁ利害で言えば神経が無い方がいいのですが…あ、神経が無いから自己修復機能も無いのか(笑)

このお話の前提は髪が生えた後は死んでいるという前提ですが、刑事ドラマで髪が一本落ちてて犯人の身長体重血液型などが分かるんだから生きてるのでは?というお話もあるので使い捨てじゃないじゃないか!なんて話もありますが、細胞的には角質化後なので死んでいますが、DNAの話はほぼ毛乳頭残存かメデュラにたまに微量という話なので…あ、メデュラにあれば遺伝的には生きてるのか?髪の生死の話はまた長くなるので別項でw まぁ解明されていない部分の一つですね。

という訳で、神経と自己修復機能の無い約6年サイクルで生え変わる髪は基本使い捨てです。が、人間の髪は犬猫のように夏毛冬毛と生え変わる訳ではなく長い時間共にあるのでケアが必要になってくるのですね。

第一印象は髪で70%が決まる。という人もいます。使い捨てですが大切な髪です。綺麗な髪でお好きなヘアスタイルを楽しみましょう。

 

髪の関連物、皮脂膜について

ここでは髪と切っても切れない関係のお話、皮脂膜を簡単に。皮脂膜とは単純に汗(水分他)と皮脂(油分他)が混じったもので、体全体を覆っているバリアーのようなものと思って下さい。

髪のお話でなぜ皮脂膜が出てくるのか。それは髪が生える場所から髪そのものまでお世話になっているからです。要は髪自体もバリアーのお世話になっているという事です。

ただ問題があって、古くなった皮脂膜は乳化や酸化作用を引き起こし皮膚にダメージを与えたり雑菌の温床になったりします。ちなみに古くなった皮膚と古い皮脂膜が混ざり合うと垢になり、頭皮だと乾燥してフケになります。どちらもいいイメージは無いですよね。髪自体には2〜3日シャンプーしないと何も付けてなくても髪がベタついてきますよね。アレです。(ちなみに毎日シャンプーされる方なら髪の根元から皮脂膜がたどれる場所は1日平均10cm前後)

だからシャンプー、洗顔、ボディーソープで洗い流しましょう!…というのがよく見る宣伝文句ですが…僕は共存が大切だと思っています。新しい皮脂膜ごと落としきってどーする的なw もちろん新しい皮脂膜と古い皮脂膜を見分ける事は出来ないので、表面(古い)の皮脂膜は粗方落として皮脂膜自体を落としきらないのが理想と思っています。既存のものはほぼ皮脂膜の代替え品を補充する方向ですが…。例えばそもそもシャンプーという存在自体が皮膚と髪を同時に洗うという矛盾したもので…えーと長くなるのでシャンプーの話はまた別項でw

何でもそうですが、一番合うのは自前のもので皮脂膜もそうです。僕はそう思います。それを利用しながら足りない部分は補うイメージ。でもそのバランスが難しい。で、10年以上研究しています。貴女も好みだけではなくご自分の皮脂膜に出来るだけ合ったものを選びましょう。

 

わかめで生える?

はい。ちょっとあれこれっぽいですね(笑) お店でお客様に「髪を伸ばしたい」から始まり十中八九聞かれるご質問がこれです。これも結論から行きましょう。「何もしないよりはずっといいですが、体感できるレベルでは無いですよ」です。

えーと昔計算した事があって、確かに海草類には髪が生えてくるのに有利なアミノ酸が入っています。ただ、仮に1ヶ月後に体感できるレベル(いつもより早く生えたとかハリコシがあるような気がするなど)は例えばワカメから髪の必要栄養素的に計算していくと…毎日バケツ約1杯食べて何とか的な(笑)

それは無理ですよね。ココで言いたい事は何でもそうですが内部から必要な部分だけを変えたくても、摂食した時点で体全体に行くのでしっかりした摂食量が必要になるという事です。だったらサプリは…これも長くなるのでまたいずれ別項で。

ただ、何もしないより、そしてお菓子を食べるより、わかめは髪だけでなく体にもいいでしょう。なので喜んでオススメします。が、髪への過度の期待は禁物です(笑)

 

髪のデザインについての弊害

えーと。この項目は美容師としてはとても書きづらいのですが、ケアリストとしては書かずにはいられないので少しお付き合い下さい。

髪のデザイン。大切ですよね。デザインについては僕も大好きですがいずれ美容室のHPをリニューアルするのでそちらでお話しさせて下さい。

ここでは髪のケアという視点で。ここも結論から言うと、矛盾してるんです。美容室って。端的に誤解を恐れず言うと、容姿を綺麗にしながら髪を痛めている。ということです。18才でこの仕事を志してすぐ気付きました。ここでは主にパーマ施術やカラー施術などの薬液系のことで言っています。

もちろん薬液も時代と共に進化してきました。ですが、髪の鎧(キューティクル)を突破する時点でどうしても髪に負荷がかかるんですね。なのでダメージ0や逆に良くなる。なんて事は毛髪科学上無いと僕は思っています。

ただ、例えば美味しいと思う食事ほど体に悪かったりしますよね。で、自分の理想の綺麗に近づけば近づくほど髪には負担がかかるかもしれません。トリートメントもありますが、正直一度受けたダメージを完全に修復しきるものではありません。なので僕は独立してすぐにオリジナルメニュー(パーマ&カラー他)やオリジナルヘアケア商品の開発に着手しました。テーマは美容室&ホームケアで如何にダメージ0に近づけるか。です。他にも髪に詳しい真面目な美容師達はみんな同じ思いで日々努力を重ねていると僕は信じています。

僕が美容師だけどヘアケアまで作る理由としてお話ししました。要は綺麗な髪を維持するのに美容室だけでは来られない時間分どうしても足りない部分があると気付いたからです。勝手ですが。そしてお願いです。これを読んで美容室を嫌いにならないで下さい。ただ、貴女を綺麗にさせて頂きたい。その思いで美容師も毎日を一生懸命過ごしています。どうか美容師の声も少しだけ聞いてあげて下さい。

最後に。お目汚し大変失礼致しました。

 

…こんなところで。やっぱり長文になっちゃいましたね。初っ端からすみません(笑) あとは随時blogとして今まで書いた記事のストックが少しあるのでそれを皆さんのご意見を元に新しい記事を書いていきたいと思います。

今後ともよろしくお願い致します。